教皇庁諸宗教対話評議会、50年の歩み

去る519日、教皇庁諸宗教対話評議会(PCDIと略)は、1964年に時の教皇パウロ六世によって創設されてから50周年目を迎えましたので、その記念祝賀行事が催されました。

真命山からは、シスターマリア・デ・ジョルジが出席しました。
   記念行事は、大きく二部で構成されました。まず、その日の朝、聖ペトロ大聖堂で、 PCDI議長ジャン・ルイ・トーラン枢機卿司式でごミサが捧げられました。午後、PCDI主催の集会があり、PCDI事務局長ミグエル・アンジェル・アユソ・ギホ神父が同評議会の五十年の歩みを紹介し、さらにロンドン、ヘイスロップ・カレッジのダミアン・ホワード神父が現代世界における対話の重要性と緊要性について講演しました。PCDIの機関誌(始めは Bulletin、後Pro Dialogo のタイトルに変更)は、PCDIの事業を広範囲かつ各分野に整理して記事を掲載している重要な文献です。 
   

      真命山が、PCDIから特に注目され続けてきたことは深い慶びです。真命山から二人のメンバーが同評議会顧問に任命されました。聖ザベリオ宣教会会員フランコ・ソットコルノラ神父とコンベンツアル聖フランシスコ修道会会員園田善昭神父です。1986年当時、キリスト教以外の宗教担当事務局の事務局次長であったピエトロ・ロッサーノ司教は、 フランコ神父の招待を受け入れて来日し、仏教側から生命山シュバイツァー寺住職古川泰龍師をまじえて諸宗教間対話について日本各地で講演してくださいました。そのご縁もあり、ロッサーノ司教は、真命山の建設にあたり、ご助言、ご協力くださいました。引き続き、PCDI議長フランシス・アリンゼ枢機卿、同事務局長ミカエル・フィッツジェラルド司教、同事務局次長フェリクス・マチャド師(現在、インド国ヴァサイ司教区大司教)などの方々が真命山にご来山くださり、長年にわたり、ご支援ご協力くださっています。真命山にとりましては、PCDIが主催した四回にわたる仏教信奉者とキリスト教信奉者の国際会議、また紀元2000年を記念して開催された諸宗教国際大会などに参加させていただいたことは、特段に意義深いことでした。
  
   

     真命山は、しばしば直接間接PCDIに協力し、また日本司教協議会諸宗教部門との架け橋としても協力させていただきました。たとえば、1986年、ヨハネ・パウロ二世の呼びかけにより、アッシジに全世界の主な宗教の代表者が集まり、世界の平和のためにともに祈られた、あの歴史的集会の25周年を記念して、教皇ベネディクト十六世が再びアッシジで、「平和の祈り」の集まりを主催されるにあたり、多少のご協力ができたことも感謝の思い出です。真命山は、フィッツジェラルド大司教やマチャド大司教が、格別の計らいで、いくたびも友好的にご訪問くださったことを神に感謝しています。 8月初旬(1日から9日にかけて)シスターマリア・デ・ジョルジは、日本司教協議会諸宗教部門(この部門の顧問でもありますが)の求めに応じて、現在のPCDI事務局次長インドゥニル・コディトゥワック師が日本を公式に訪問される間、案内と通訳をしました。81日、立正佼成会「大聖堂」で催行された同大聖堂落慶五十周年記念祝賀会に参列したあと、シスターマリアは、コディトゥワック師を日本の約八万の神社を統括している神社本庁を訪れ、さらに国際宗教者平和会議(WCRP)日本支部も訪問しました。
 
   

   引き続き、ローマ教皇庁日本駐在大使ジョーゼフ・チェノット大司教、 京都教区大塚司教、コディトゥワック事務局次長、シスターマリアは、京都の比叡山で84日に開催される恒例の比叡山サミットに参加し、その後、京都に近い天理市に向かい、天理教大本殿を訪ねました。86日は広島で、89日には長崎で、コディトゥワック師は、この日の原爆投下の悲劇を想起して、毎年催される多様な式典・行事に参加し、PCDIからのメッセージを発表されました。コディトゥワック師は、広島から長崎に移動するわずかな時間を割いて、 6日から7日にかけて真命山も訪問してくださるなど、同師の前任者たちが開拓した美しい伝統の道を引き継ぎながら、新たな活力を与えてくださいました。