諸宗教対話担当者の養成



「諸宗教対話に携わるためには十分な養成を受ける必要があることを強調しておきます。

正しく諸宗教対話を進めるためには、信仰の道を歩かなくてはなりません。ですから、諸宗教対話担当者は、深い養成を受けて自分の信仰を固め、他の宗教については十分な知識をもっていなければなりません。そのようなわけですから、教皇庁諸宗教対話評議会が、キリスト信徒の諸団体、特に神学生、教育施設の青少年を対象にした諸宗教対話養成コースとプログラムの企画実践に努めていることに対して激励します。」

      (ベネディクト十六世、「教皇庁諸宗教対話評議会総会参加者向け講話」
     200867日)

     真命山は、創立以来、諸宗教対話担当者のしっかりした養成が重要であると考えてきました。そこで、特に、3日間から一週間程度の諸宗教対話担当者短期養成コースを開講してきました。養成コースのプログラムには、諸宗教対話に関する教会の指針の研修が含まれますが、さらに、日本のおもだった宗派の紹介と、おもな神社・寺院の訪問も研修プログラムに加えてきました。
   また、諸宗教対話関連の主な組織や事業もそれぞれの領域ごとに具体的な例を紹介しています。このような筋に沿って、日本に来られる新任宣教師を対象にした日本の諸宗教と文化について毎年一週間のオリエンテーションを実施しています。
    さらに、大学生のグループを対象にして、宗教の多様性および諸宗教が相互に働きかけながらすすめている宗教間対話をテーマにして毎年、四日間の諸宗教研修コースを開講しています。そのほか特に青少年が諸宗教対話の必要性について認識を深め、自信をもって推進する意識を高めるためにいろいろ企画しています。
   シスター・マリア・デ・ジョルジは、すでに六年間にわたりローマのグレゴリアン大学ミッシオロジー学部でアカデミックなレベルの諸宗教対話講座を担当しています。それに加えて今年からは、イタリアのレッジョ・エミリアでも、神学生を対象にキリスト教と仏教間の対話について特別講座を担当しています。
    すべての人は、宗教間対話を促進するために働くよう求められているのですが(「救い主の使命」 57参照)、「教会の福音宣教」(「救い主の使命」55)というこの重要な使命を果たすにあたって、そのために専門的に養成された人は、まだ少ないのが実情です。真命山は、諸宗教対話推進に従事する中で、特にこの点を強く感じています。