真命山ニュースと視点 2015年1月〜3月

諸宗教対話・霊性センターとして真命山は、4名で活動していますが、それ以外に、各自、それぞれ異なる任務にも携わっています。

  • フランコ・ソットコルノラ神父(ザベリオ会)は、本センター所長であり、また日本カトリック教会の典礼委員会委員でもあります。
  • マリア・デ・ジョルジ(マリア布教修道女会会員)は、本センターの副所長です。またローマのグレゴリアン大学の教員でもあります。
  • 園田善昭神父(コンベンツアル聖フランシスコ修道会会員)は、協力メンバーであり、また大分教区由布教会担当司祭でもあります。
  • 池田久美子(聖マリア在俗会会員)は、協力メンバーとして事務、受付を担当しています。

訪問客の歓待

本山の日常活動の一つですが、具体的には、ここの小さい共同体にとっては大きな任務は、訪問者、来客の接待です。このセンターを理解していただくため、数日間の祈りや黙想に参加し、あるいは諸宗教の間の対話をするためだけに、または個人的な動機に基づいて心の指導や参考になること、励ましなどを求める方々がいらっしゃいます。
たとえば、この三カ月の間にも、数日間もしくは数週間の滞在客がありました。京都の日本宗教研究所(NCC)の紹介により、二人のドイツ人青年が來山し、それぞれ一週間ずつ滞在して、日本文化、日本の諸宗教について研究しました。ノールウエイから一人のプロテスタントの牧師も来られて、数日滞在して諸宗教対話活動の実情と問題に関心をもって研修されました。日蓮系の三人の方々が来られて、親睦と協力を深めることについて対談しました。東京から十名のグループ訪問があり、真命山を起点にして、九州各地の有名巡礼地を回るとのことでした。白光真宏会の代表お二人が來山されました。在日フィリッピンの友人の皆さまがグループで定期的に真命山へ、霊性研修と親交を深め、また協力するために来られます。そのほかにもいろいろ…。
通常、ご来客の皆さまには、真命山の生活スケジュールに参加していただきます。祈り、労働(作務)、共同の食事をし、個人やグループの関心事にお答えするよう心掛け、時には仏教寺院や諸宗教関連の施設訪問のお手伝いをします。さらに、毎月の第二木曜日は霊性研修の日に当てています。どなたでも参加自由です。つねに結構大勢参加され、今年のテーマは、「詩編の祈り」です。

諸宗教対話活動 

日常の來山者歓待の務めのほか、特に諸宗教対話に関わるいろいろな活動を行っています。この活動は、日本にはあまり見られない形態ですが、諸宗教対話に参加し、それを促進する立場から、さらに異なる宗教を代表する方々との出会い場を大切にすることは、まぎれもなく、このセンターのメンバーにとっては、力が入る仕事です。              この三カ月(一月から二月、三月にかけて)は、次のような活動を行いました。

  • 2月19日、フランコ・ソットコルノラ神父と園田善昭神父は、東京で開催された日本カトリック教会諸宗教部門の会合に出席しました。
  • 3月7日、マリア・デ・ジョルジはローマのサン・ジョヴァンニ・ラテラノ教会で開催された宣教活動推進会議の諸宗教対話部集会に出席して自分の体験報告をしました。
  • 3月9日、フランコ・ソットコルノラ神父は、福岡で隔月毎に開催されるキリスト教・仏教合同研修会に出席しました。
  • 3月16日、フランコ・ソットコルノラ神父が議長となり、福岡教区諸宗教対話推進担当者会議(年二回開催)を真命山で開催しました。
  • 3月22日、フランコ・ソットコルノラ神父は鹿児島の姶良教会で諸宗教対話集会を開催しました。
  • 3月29日、フランコ・ソットコルノラ神父がガイドしている熊本諸宗教対話グループを熊本県に所在する日蓮宗の寺院に案内し、親睦と理解を深めました。

ローマ法王庁立グレゴリアン大学の諸宗教対話教育課程

マリア・デ・ジョルジは、グレゴリアン大学の招聘に応えて、もはや十年にわたり毎年、ローマで、諸宗教対話関連の教育課程担当教員として講義しています。今年も二月中旬から六月にかけて、マリア・デ・ジョルジは次のようなテーマで講義しています。
第二バチカン公会議後における教会の教導職にもとづく諸宗教対話セミナー
第一千年紀の「シルク・ロード」におけるキリスト教:文化と諸宗教の出会い
古典仏教入門講座

真命山の視点 

     真命山の特徴の一つは、大自然の中に抱かれていることです。山々に囲まれ、森に守られ、南には熊本市の手前に金峰山があり、西には有明海が開け、その向こうに島原半島があり、活動中の火山雲仙岳が荘厳な姿を現しています。
日本のこの地方の特徴としては、雨がよく降ります。樹木の生育も早くなります。特に楠木は目をみはるばかりです。よく生い茂り、みなさんご存知の通り、カンフルの香りを放ちます。これらすべての環境が真命山の霊性的雰囲気を醸し出しています。この環境に抱かれて真命山は、日本固有の文化的伝統を保っています。ここでは、大自然が格別の役割を担っています。真命山は、神道の伝承をも配慮しています。なぜなら、ここには神が宿り、神の現存が啓示されているからです。キリスト教にとっても、大自然は神の摂理の御手により創造されたものです。大自然こそは、神との出会いの場を提供しているのです(創世記一章、二章に心を止めてください!)。ですから真命山は、この山上に建設されました。大自然の中で宗教的体験を味わい、祈り、神と出会うのです。
 とは言え、樹木が大きくなりすぎると、危険でもあります。樹木は荒々しい台風を和らげてくれますが、根こそぎ倒木することもあり、舎屋を倒壊させる危険もあります。ですから、時折、風景を損なうことは残念ですが、枝を切り落とすなど、ケアが必要になります。この類の作業には、地域の経験豊かな人々の協力が必要です。今年は、二月に山の手入れをしました。このような作業は、庭師はもとより、真命山の住人にとっても相当は負担になります!